01.そっと口づけた、桃いろのくちびる
狭い部屋にはベットが一つしかなくて、ネズミと僕は二人で背中を合わせて寝ていた。
一緒に暮らし始めて気付いたことだけど、ネズミは寝相が悪くて時々僕を足蹴りする。
僕は今日もその被害にあって、まだ夜中なのに目が覚めた。
上半身を起こして今し方蹴られた足を擦った。
いつもは年が離れた大人みたいに冷静なのに、こんな所を見ると子どもみたいで 笑えてしまう。
隣りを見ると、ネズミが背中を向けて気持ちよさそうに寝ていた。
ネズミが矯正施設へと連れて行かれそうになった僕を助けてくれたから、今の生活がある。
あの時ネズミが助けてくれなかったら僕は今頃死んでいたかもしれない。いや、 確実に死んでいただろう。
ネズミは助けたことについて、僕にとても大きな借りがあると言っていた。
僕の十二歳の誕生日の日、雨に濡れて肩から血を流して僕の部屋に入ってきたネズミを手当てした。
結果的に僕はクロノスから追放されて、ロスとタウンでの細々とした生活になってしまったけど。
僕にとってあの日の出来事はとても衝撃的でとても興奮したことだった。
それに、またネズミに会いたいとも思っていた。
全く後悔はなかった。
だからネズミに助け出されて、大きな借りがあると言われて僕は驚いた。
ネズミは、僕に助けられた時どんな気持ちだったんだろう。
本人にしか分からないだろうけど、気になった。
ネズミが軽く身動ぎをして、さっきまで背中を向けていたネズミの顔がこちらを向いていた。
無防備な顔。
普段からは想像出来なくて見る度に僕はドキドキした。
僕はネズミの顔の横にそっと手を付いて、ゆっくりと顔を下げていく。
ネズミ、僕を助けてくれて
「ありがとう」
唇が触れるか触れないかという距離で、僕は小さく呟いた。
寝込みを襲ってるみたいだ、と少し負い目を感じながらもそのままネズミが起きない様にそっと口付けた。
やった後に急に恥ずかしくなった僕はすぐにネズミに背を向けて寝た。
紫苑が寝静まってから暫く。
「ありがとう、か」
ネズミが小さく呟いた。
そして二人はまた、朝まで背中合わせで眠る。
ネズミがこの事に気付いていた事を、紫苑は知らない。
んー。文章が、下手くそ←
分かってるけどさ。見てる人が不愉快だよねって話。